Homebridgeを使って、「ホーム」アプリ(Apple Homekit)でdyson pure hot + coolを操作できるようにする。

ども、おうち時間が長くなって、時間を持て余し気味のバンブーです。皆さんはApple製品をお持ちでしょうか?私のブログに辿り着く人はおそらく一つくらいはApple製品を持っているかも知れませんね。例えばiPhoneとかです。

iPhoneの画面を眺めていると、「これなんだろう?」って思うアプリがあると思いますが、そんな中で、極めて「なんだこれ?」的なアプリに「ホーム」アプリがあります。オレンジ色の家の形をしたアイコンです。

今回は、この「ホーム」アプリについて説明し、dyson pure hot + coolを「ホーム」アプリで操作出来るようになるまでを書いていこうと思います。

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「ホーム」アプリはApple Homekit対応製品を管理するアプリ

さて、この謎の「ホーム」アプリですが、簡単に言ってしまうと、アップルが提唱するスマートホームを実現するためのプラットホーム「Apple Homekit」に対応した電化製品などを操作するためのアプリという事になります。話がややこしくなるので、ここでは「ホーム」アプリ=「Apple Homekit」と覚えてください。

スマートホームって言葉は聞いた事があるかと思います。簡単に説明するとIoT(もののインターネット)やAIなどの技術を駆使して住む人にとってより安全・安心で快適な暮らしを実現する住宅のこと…という事です。IoTって例えばインターネットに接続できる家電製品を思い浮かべていただければ良いかと思います。AIは例えばAppleならSiriが有名ですね。(本当はもっと奥深いものなのですが、ここでは簡単にAI=Siriみたいなものと覚えてください)

例えば「Hey Siri!照明をつけて!」と言えば、照明が明るくなったり、外出先から、自宅のエアコンを操作して、帰宅時には快適な温度になっている・・・と言った具合です。

日本では対応する製品が少ない

では実際にApple Homekitに対応した家電製品って何があるの?と思いますよね?私も同じように思い、ネットで色々と情報を探してみたのですが、おそらく日本ではApple Homekitに対応した家電製品を購入することは、ほぼ不可能ではないでしょか?Appleのオンラインストアでも照明ぐらいしか手に入らないと言った感じです。

アップルのホームページに対応製品の情報がアップされているので、一度参照してみて欲しいのですが、どれもこれも聞いた事がない会社の製品ばかりです。

海外、主にアメリカなどでは、日本よりも環境はいいようで、Apple Homekit対応の製品が売られているようです。でも、やはり現時点では「発展途上」と言った感じで、統一した企画がなく、各社が競ってプラットホームを作っていると言った感じです。

我が家のdyson pure hot + coolを使えないか?

Apple Homekit対応製品はまだまだ少ない事がわかりましたが、Apple Homekitには対応していないものの、ネット接続できる製品、つまりIoT製品は各社から販売されています。

例えばですが、先日我が家にやってきたdyson pure hot + cool(以下Dyson)もその一つです。Dysonについては、導入報告を以前記載しましたので、是非参照していただきたいと思います。

上記の記事でも書かせていただきましたが、このDysonはかなり高性能なIoT製品で、ネット越しで操作できたり、Siriショートカットに対応していたりと、機能が盛り沢山です。

そんなDysonですが、もしかしたらどこかの誰かがApple Homekitに対応すべくハックしていないかなぁと思い、ネットで検索してみました。

するとありました!やはり強者はいますね。Dysonに限ったことではないのですが、Apple Homekitに対応していないIoT製品をApple Homekitに認識させる方法がありました。

調べてみると、大きく二つあるようです。一つはHomebridgeを使う方法です。Homebridgeについてはこの記事で取り扱いますので、後にまわしますね。で、もう一つはHome Assistantを使う方法です。

後者のHome Assistantですが、オープンソースで開発されているスマートホームのプラットホームで、まさにApple Homekitの競合製品という事になります。このHome AssistantにはApple Homekitとの接続を行う機能があり、Home Assistantが管理しているIoT製品をApple Homekitに連携させる事が可能です。Home Assistantだけでスマートホームを構築することも可能ですし、Apple Homekitに連携させるために使うことも可能です。

さて、本題の「Homebridge」ですが、こちらもオープンソースで開発されているものです。こちらはHome Assistantとは違い、単独でスマートホームを構築することはなく、IoT機器とApple Homekitを繋いでくれるブリッジの役割を果たしてくれます。

Homebridgeにはアドオンで機能を追加(IoT機器を追加)する事ができるのですが、このアドオンが豊富に揃っており、今回紹介するDyson以外にも本当に沢山のIoT機器をApple Homekitで扱えるようにしてくれます。

Homebridgeを使った環境を考える

Homebridgeをネットで追ってみると、Raspberry Piに仕込んで使われるケースが多いようです。まぁこの手のアプリは24時間稼働させる事が多いので、そうなっていくのでしょう。ただ、Raspberry Piを知らなかったり、使った事がなければ、いきなりRaspberry Piを使った環境構築を行うより、まずはお試しでmacOSなりUbuntu(Linux)に環境構築してみるのが良いかと思います。

そこで、バンブーは今回、Ubuntu上でHomebridgeを仕込んでみる事にしました。ちなみに、我が家はMac環境しかありませんので、VMware Fusion上にUbuntu 20.04LTSをインストールして、そこにHomebridgeを構築する事にしました。VMware Fusionを使ってはいますが、基本的には実機にUbuntuを入れて作業するのと同じ事ですので、VMware Fusionのことは気にされなくても良いと思います。

あと、これは必須ではないかも知れませんが、Ubuntuには外部からSSH接続できるようにしておいた方が良いと思います。SSH環境の構築については、当ブログでも紹介していますので、そちらの記事を参考にしてください。

Homebridgeのインストール

では早速Homebridgeを構築していくわけですが、私が参考にしたサイトから特にわかりやすい説明がされているサイトがありますので、そちらをご紹介します。こちらのサイトではHomebridgeのインストールと、HomebridgeのプラグインであるHomebridge Config UI Xをインストールしています。

上記サイトを参照していただければ、問題なくインストールできると思うのですが、上記サイトが削除されたりすると困るので、以下に簡単にまとめておきます。

このガイドでは、UbuntuにHomebridgeをサービスとしてインストールして、起動時に自動的に起動する方法を段階的に説明しています。

前提条件

始める前に、以下に示す準備ができている事を確認してください。

  • Ubuntuの環境が用意されている事。
  • ターミナルへのアクセスができる事。これは、デスクトップターミナルアプリを介してでも良いですし、リモートでSSHを介して行うことでも良いです。
  • このガイドからターミナルにコマンドに対して、コピー&ペーストができる事。(長いコマンドを目で追いながら入力するのは大変ですしね)
  • このガイドは、Ubuntuに対して、Homebridgeが新規インストールである事。少なくとも、始める前に、UbuntuにHomebridgeまたはNode.jsがインストールされていないことを確認してください。

Step1:Node.jsのインストール

公式リポジトリからNode.jsのLTSバージョンと依存関係にある追加のコンポーネントをインストールします。

#setup repo
curl -sL https://deb.nodesource.com/setup_12.x | sudo bash -

#install Node.js
sudo apt-get install -y nodejs gcc g++ make python

#test node is working
node -v

Step2:Homebridge と Homebridge Config UI Xのインストール

次のコマンドを使用して、HomebridgeおよびHomebridge Config UI Xをインストールします。

sudo npm install -g --unsafe-perm homebridge homebridge-config-ui-x

Ubuntuの起動(ブート)時にHomebridgeを自動開始するサービスとして、hb-serviceコマンドを使用して設定します。

sudo hb-service install --user homebridge

このコマンドは、HomebridgeおよびConfig UI Xをシステム上のサービスとしてセットアップするために必要なすべてのことを実行してくれます。homebridgeユーザーがまだ存在しない場合は新規作成し、/var/ ib/homebridgeの下にデフォルトのHomebridge config.jsonを作成してくれます。

このコマンドを使用してHomebridgeをサービスとしてセットアップすると、不正なプラグインまたは構成エラーが原因でHomebridgeがクラッシュしても、UIはオンラインのままになります。

Step 3: Homebridge Config UI Xにログインする

Homebridge Config UI X Webインターフェイスを使用すると、プラグインのインストール、削除、更新、Homebridge config.jsonの変更、およびHomebridgeサービスの他の側面の管理を行うことができます。

http://<サーバーのIPアドレス:8581>

サーバーのIPアドレスを確認するには、次のコマンドを実行します。

hostname -I

デフォルトのユーザーはadminで、パスワードはadminです。

Homebridgeのアンインストール方法

Homebridge serviceのアンインストール方法は以下

sudo hb-service uninstall

HomebridgeおよびHomebridge Config UI Xを削除するには、次のコマンドを実行します。

sudo npm uninstall -g homebridge homebridge-config-ui-x

以上でHomebridgeのインストールと、Config UI Xのインストール手順でした。(それとアンインストール方法ね)

以降は、dyson pure hot+coolをHomebridgeに認識させる方法について説明します。

Homebridge config UI Xでプラグインを探す

さて、Homebridge(と、Homebridge Config UI X)のインストールが完了したので、次にdyson pure hot+coolをHomekitに認識させるためのプラグインを検索し、インストールします。

このアドオンですが、どんなアドオンがあるのかを調べるには、Homebridge Config UI Xを用いると非常に楽に調べる事ができます。

Homebridge Config UI Xのメニューで「プラグイン」を選択表示させます。すると現在インストールされているプラグインの一覧と、検索バーが表示されます。

上記の画像では、三つのプラグインがインストールされている事がわかります。ちなみに今回インストールする「Homebridge Dyson Pure Cool」が既にインストールされちゃってますが、見なかった事にしてください。

この画面の上部に「インストールするプラグインを検索しています」と書かれた検索バーがありますが、そこに「Dyson」を入力してEnterを押してみます。すると、Dyson関連のアドオンがズラリと一覧表示されます。

この中から、自分が使いたいと考えているプラグインを選んで「インストール」を選択するだけでインストールが完了します。もしHomebridge Config UI Xがない場合、自分からネットでプラグインを探し出し、ターミナル を立ち上げて、インストールコマンドを入力する必要があります。Homebridge Config UI Xをインストールした理由はここにあります。

Homebridge Dyson Pure Coolのインストール

さて、検索の結果、Dyson関連が8件ヒットしました。この中から目的にあったプラグインを選択するわけですが、私が色々と実際にインストールして試用してみた結果、これだ!というプラグインが「Homebridge Dyson Pure Cool」です。

これを選んだ最大の理由は、数種類あるダイソンの羽なし扇風機の多くのバージョンをサポートしており、私の持っているdyson pure hot+cool(HP04)もサポートしているからです。

また、一般的なプラグインの場合、インストールした後に、config.jsonファイルを直接修正する必要があり、ちょっと敷居が高いのですが、この「Homebridge Dyson Pure Cool」は設定画面を持っていて、そこで必要な情報を入力してあげるだけで、設定が完了します。config.jsonファイルを直接編集する必要がないのは、とても助かります。

で、この設定画面ですが、以下の情報を前もって調べておく必要があります。

  • Dyson linkで使っているUsername(メールアドレス)とそのパスワード
  • dyson pure hot+coolのIPアドレス※1
  • dyson pure hot+coolのシリアル番号※2

※1 : このプラグインはdyson pure hot+coolのIPアドレスを必要としています。ですが、大抵のご家庭では、IPアドレスをDHCPで自動割り当てされている事が多く、定期的にIPアドレスが変更されてしまします。そこで、IPの固定化をするわけですが、私の場合は使っているWiFiルーターがMACアドレスによるIPアドレスの予約が可能なため、それを使い固定化しています。ちなみに、dyson pure hot+coolのMACアドレスは、フィルターを取り外したところに記載があります。

※2:シリアル番号は本機の底面か、製品マニュアルに書かれているので、確認してください。

以下にその他設定項目の簡単な説明を載せておきます。

  • Username Dyson linkで使用しているメールアドレス
  • Password 上記メールアドレスに使っているパスワード
  • Country Code 日本ではJPを指定
  • IP Address pure hot+coolのIPアドレス
  • Serial pure hot+coolのシリアル番号
  • Credentials わかりません!何も入力しなくても大丈夫!
  • Enable Auto Mode オートモードが使えるようになる
  • Enable Night Mode ナイトモードが使えるようになる
  • Enable Jet Focus これはHP04には無い機能なので使わない
  • Enable Temperature Sensor 温度センサーを有効にする
  • Enable Humidity Sensor 湿度センサーを有効にする
  • EnableAir Quality Sensor 空気質センサーを有効にする
  • Update Interval センサーの更新がDysonデバイスから要求される間隔(ミリ秒単位)。デフォルトは60秒です。
  • Retry Sign-In Interval プラグインの起動時にプラグインがDyson APIとの通信を試行する間隔(ミリ秒単位)。インターネット接続に問題がある場合は、値を5000(5秒)以上に設定してください。デフォルトは0で、再試行が無効であることを意味します。

以上が入力できたら、「保存」を選択し作業終了です。最後に、Homebridgeを再起動しましょう。再起動は画面右上にあるスイッチアイコンで実行可能です。

DysonがHomebridgeに認識されたか確認しよう

再起動後、問題なくDysonがHomebridgeに認識されたか確認しておきましょう。確認の方法はHomebridge Config UI Xの「アクセサリ」画面で確認可能です。

上図のようにDysonの各種アクセサリが追加されている事が確認できます。以上で事前設定は全て完了です。さていよいよ「ホーム」アプリでDysonが認識されているか確認しましょう。

「ホーム」アプリに登録

「ホーム」アプリに認識させるためには、「ホーム」アプリで「アクセサリの追加」を行ってやる必要があります。まず「ホーム」アプリを立ち上げます。画面の右上に「+」マークがありますので、それを選択します。すると「アクセサリを追加」メニューが現れるので、それを選択します。

すると、以下のような画面に切り替わり、カメラの画面が表示されます。このカメラで、Homebridge Config UI Xに表示されているQRコードを読み込ませます。

このQRコードを読み取ると、ポップアップが表示され「認定されていないアクセサリ」と出てきますが、ここでは「このまま追加」を選択します。

追加を行うと、追加するアクセサリの設定になりますが、ここでは主に「どの部屋の機器か」を設定します。特に必要なければ、「デフォルトの部屋」のままでも問題ありません。

今回設定したdyson pure hot+coolでは、合計で5つのアクセサリが追加されますので、上記のような設定を5回繰り返してください。全て終わるとめでたくDysonが「ホーム」アプリ上で確認できるようになります。以下のような感じです。

以上で全て設定が終わりました。実際にいろいろといじってみましょう。DysonをiPhoneやmacOSから操作ができるようになったかと思います。

専用アプリ「Dyson link」と「ホーム」アプリ、どちらが良いか?

さて、色々いじってみましたか?Dysonが「ホーム」アプリ上から操作ができたと思います。さて、一通りいじってみると、きっと皆さんはこう思うはずです。

「専用アプリ「Dyson link」の方が使いやすくね?画面も綺麗だし」

と。そうです、私もそう思います。今回登録したdyson pure hot+cool一台だけを操作するなら、圧倒的に専用アプリの「Dyson Link」の方が操作性や視認性からいって優れています。間違いなく優れてますね。

「なんだよ、こんなに苦労して設定したのに、「ホーム」アプリ使えねーな」

なんて、思っちゃいますよね。それある意味では間違ってません。でも違うんです。

複数台のIoT機器を管理するなら、絶対に「ホーム」アプリが必要となる

Dyson1台だけなら「ホーム」アプリは必要ないと言っても間違いではないのですが、dyson pure hot+coolのようなIoT機器が、複数台になりどんどん増えてくると、どうなってくるか想像してみましょう。例えばIoT対応しているテレビにDysonにエアコンに照明機器などが導入された場合です。

外出先で「あ、電気消したっけ?」と思った時に、IoT機器の専用アプリを一つずつ起動し、状態を確認し、消し忘れだったらOffにする。そして次のIoT機器の専用アプリを立ち上げて、同じように状態を確認する・・・という繰り返しが発生します。

ところが、もし全てのIoT機器がApple Homekit対応されており「ホーム」アプリで管理できていれば、どうでしょう?

そう、一目で(一つのアプリ画面で)IoT機器の状態(On/Off)を確認する事ができ、その場で「Off」する事ができます。その逆も然り。

ということなのです。バンブーの家にはApple Homekit対応してたり、HomebridgeでApple Homekit対応させたりしているIoT機器は、今回のdyson pure hot+coolと、SonyのBravia(テレビ)だけです。

たった2台だけなのですが、「ホーム」アプリで状態(On/Off)が確認できるのが非常に便利です。これが3台4台と増えてくれば、その恩恵はもっと広がるでしょう。

残念ながら日本ではApple Homekitに対応したIoT機器は非常に少ないですが、今後必ず増えてくるでしょう。それまでの間は、ちょっと面倒ですが、今回紹介したHomebridgeで強引にApple Homekit対応させちゃうと良いかと思います。

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